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ハンタウイルス感染症の発生

海外の感染症のイメージ

5月3日、大西洋を巡る豪華クルーズ船の中で、ハンタウイルス感染症の集団感染が起き、死亡者も発生している・・・・とのニュースが流れました。

その報道に、多くの人々は、新型コロナ感染症流行の初期に起きた大型クルーズ船での悲劇的な出来事を思い浮かべたのではないかと思います。

ただ、私は少し違う思いで、このニュースを眺めていました。

というのも、私は以前パラグアイで仕事をしていた時に、クリスマス休暇を使ってアルゼンチン・パタゴニア地方を旅行し、今回のクルーズ船が寄港したウシュアイアにも行った事があり、この時期のこの地域の環境を知っていたからでした。

パタゴニア地方

私は、ブエノスアイレスからパタゴニアに向かって南北に貫く国道をバスで縦断し、シャルテン、ペリトモレノ・カラファテ、港町のプントアレナスを経て、最南端の街ウシュアイアを目指しました。

途中ペンギンのコロニー(営巣地)に寄り、自然界での生態を見たことも思い出しました。

荒涼としたパタゴニアは背の低い木しかない平原で、強い風が吹いています。

この時期は、一年で一番暖かい季節のパタゴニアですが夕方にはダウンコートも必要なくらい、気温が下がります。

パタゴニアでは、あちこちでアルパカやリャマ、ビクーニャなどのラクダの仲間の動物や、海岸沿いの地域ではマゼランペンギン、フンボルトペンギンのコロニーがあり保護されていました。

この時期のウシュアイアは、南極に行く人、パタゴニアの自然の中で様々な動物の生態を見る人、などそれぞれの目的を持った旅行者たちでにぎわっています。

自然の中に入り野生生物などを見て回る旅行者が、この地域に生息しているハンタウイルスを持ったネズミの尿や糞で汚染されたものに触れたとしても不思議はありません。

この辺りを旅する人々には、予期せずハンタウイルスに感染する可能性があるのです。

パタゴニアを満喫した人々の中には、ハンタウイルスに感染した人もいたかもしれません。そして、自身が感染しているのにも気づかぬままクルーズ船に乗り、ウシュアイアを出航して洋上の船旅を楽しんでいる最中に、ハンタウイルス感染症を発症した可能性は低くないと私は推測しています。

ハンタウイルス感染症のヒト-ヒト間の感染は確かに報告されていますが、決して感染しやすいウイルスではありません。

報道によって知る範囲ですが、クルージング船の中での感染者の発生状況を見ても、船内で感染者から他の乗客へ拡大したとは、私には思えません。

乗客はカナリア諸島でクルーズ船から下ろされ、医療機関などで専門家の監視下に置かれていますので、ハンタウイルス感染症がこれ以上感染拡大することはないと思います。

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