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新型コロナウイルス(COVID-19)について Dr.岩崎の考察と提言
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もう一度、新型コロナウイルス感染症の本質を考える

新型コロナ感染症オミクロン株の流行が続いています。
もう一度、新型コロナウイルス感染症の本質を考えてみましょう。

新型コロナウイルス感染症の始まり

そもそも、3年前に中国の武漢で流行が始まった新型コロナウイルス感染症は、コウモリの持つウイルスが野生動物に感染し、それらを捕まえたり、食べたりすることによって、人に感染し、そして瞬く間に拡がった感染症です。
このように、従来動物の病気であった感染症に、人が感染し、人の中で感染拡大することもあります。
このような動物だけでなく、人にも感染する病気をズーノーシス(人畜共通感染症、あるいは動物由来感染症)と呼びます。
現在人々を苦しめている感染症の多くが、実はこの動物由来感染症なのです。
まさに、新型コロナウイルス感染症もこれに当たります。

新型コロナウイルスイメージ

動物由来感染症とは

動物由来感染症とはどんな感染症なのかを誰もが知っているインフルエンザを例に取り上げてみます。

そもそも、インフルエンザウイルスを持っているのは、鳥のカモです。
カモがシベリアで卵から孵化し、その辺りの水を飲みます。その時にカモの糞の中に排泄されて、シベリアで凍土の中に凍結保存されていたウイルスが気温が上がり融けて出たものを飲んで、カモの幼鳥が体内にインフルエンザウイルスを取り込みます。
そんなカモが秋の終わりには、日本の方向に南下してきます。
日本に飛んで来たカモの中で、鳥インフルエンザウイルスを持ったカモの糞に触れた野鳥や他の動物によってウイルスが鶏舎に持ち込まれ、その結果、家禽がインフルエンザウイルスに感染して鳥インフルエンザに罹ります。
鳥インフルエンザに罹った家禽の多くは死ぬくらい、重篤な感染症です。
そのような鳥インフルエンザに罹った家禽を扱ったり、ウイルスのいる鶏舎に入った人がその鳥インフルエンザに罹ることがあります。その時にも、人でも家禽同様、重篤な病状となり、時には死に至ることもあります。

鳥インフルエンザウイルスが豚へ感染、そして人への影響

この鳥インフルエンザウイルスが豚に感染するとウイルスの変異が起こり、人の中で増えやすい型へと変異します。そして、人の中で流行するインフルエンザになります。そのため豚の中でのインフルエンザウイルスの抗体価は定期的に調査され、人への影響を警戒しています。

現在は鳥インフルエンザが発生した時点で鳥インフルエンザに感染した家禽は殺処分し、それ以上に他の家禽や人への感染拡大を防ぎ、このように重篤な動物由来感染症が人間の中で流行しないように世界中で警戒しています。

新型コロナウイルス感染症の場合

今、世界中で流行している新型コロナウイルス感染症は、コウモリの持っていたコロナウイルスから発生した動物由来感染症です。
人が罹ると重症になり、死亡する場合もあるのは、多くの動物由来感染症と同じです。

新型コロナウイルス感染症は動物由来感染症のまま流行した

中国の武漢の市場付近から発生したと考えられている、この新型コロナウイルス感染症は、動物由来感染症のまま、人の間に流行し、多くの被害を出しました。
そして、大きな流行を繰り返すたびにウイルスの変異を起こしながら、現在まで新型コロナウイルスの流行は続いています。
特にインドで始まったコロナ感染症の流行では多くの死亡者を出しました。この流行でのウイルスはデルタ株と名付けられました。更に世界中で流行が続き、南アフリカでの流行から新しいウイルス変異が生まれました。今、私達が苦しめられているオミクロン株ウイルスへと変化し、その感染力が強まったことから、世界中に感染は拡がりました。ただ、感染力は強くなった一方、症状は軽くなり、重症化する感染者数は減っています。

流行を繰り返すうちに症状は軽くなっていく

多くの動物由来感染症では、最初は重篤な感染症となりますが、流行を繰り返すうちに、ウイルスの変異を起こし、症状は軽くなることが多くなります。その結果、感染拡大しやすくなり、そして人の中での感染症としての位置を確立してゆきます。これが多くの動物由来感染症の変化です。
まさに新型コロナウイルスのオミクロン株は今、人の間での新型コロナウイルス進化の一過程と私は考えています。これで、人の中に新型コロナウイルスの存在を確立したように思います。

ウイルスが人の世界で生存するためには、強い感染力が必要です。そしてあまり重篤な感染症になっては宿主を殺してしまっては自分も死にますから、あまり重篤にならないのが今までの感染症の変異です。

新型コロナウイルス・オミクロン株では、鼻と咽の間でウイルスが増え、鼻水、クシャミで排出され、デルタ株のような全身での症状はあまり重篤ではありません。

以上から、ウイルスが手を介して体内に取り込まれるのを防ぐための感染症対策(手洗い)を徹底して、上咽頭の条件が良くなる、暖かくなる季節を待ちましょう。
決してゴールは遠くありません。頑張りましょう。

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