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新型コロナウイルス(COVID-19)について Dr.岩崎の考察と提言
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新型コロナウイルス感染症 3度目の春

東京では、桜が満開になりました。ただ、この仙台での桜の便りは、もう少し先ですが・・・・・

ようやく、国の新型コロナウイルス感染症対策に大きな変化がありました。明快な展開が見られないまま続いてきた新型コロナ感染症対策の施策の一つの「まん延防止等重点措置」が全面解除されました。

感染力は強いが症状は軽いオミクロン株の流行

中国の武漢で発生した「新型コロナウイルス感染症」は、約2年半の間、世界各地で流行を繰り返してきました。繰り返された流行の中で、新型コロナウイルスは変異を繰り返してきました。特に、インドでの流行の中で発生した病原性の強いデルタ株への変異では、感染者や死亡者数を増やし、この感染症の怖さを教えてくれました。

その後も続いた流行の中で、昨年の11月には南アフリカで新たなウイルス変異が報告され、そのウイルス株はあっという間に世界中に拡がりました。
それが今、私達の間で流行している、新型コロナウイルス・オミクロン株です。
日本では12月22日に大阪でオミクロン株の感染者が見つかり、その後は各地に拡がり、第6波となりました。

この株は感染力が強く、鼻や咽などの上気道粘膜の炎症を起こしながらウイルスを増やし感染を拡大させますが、デルタ株と比べると、肺まで達するような、重症化するリスクは低くくなっている、との見解をWHOは出しました。その見解通り、オミクロン株の流行は日本でも欧米でも感染拡大しましたが、死亡者数は決して多くはありません。

新型コロナウイルス感染症ではウイルスは人の上咽頭(鼻と咽の間)で増えます。その増えたウイルスはデルタ株までは血流を介して血管炎を起こしながら、全身に運ばれ、時には運ばれた先の肺や心臓などの臓器で肺炎や、心筋炎、心筋梗塞などの疾患を起こし、死に至る症例も多く見られました。

オミクロン株に変化してからは、感染力は強くなりましたが、症状は軽くなり、上咽頭での症状が主体になり、鼻水に出たり、クシャミで飛散されて拡がります。このウイルスの感染形態に関しては、以前からこのページで取り上げてまいりましたので、皆さんもご存じと思います。

高止まりと言われる現在の感染者数は、年末年始での帰省や集まりなどでの感染拡大が影響していると考えます。その頃には、さまざまなイベントが開催され、集まる機会も多かったと思います。

その後も、規制の軽い地域では、多くの人が集まるイベントが開かれておりました。それにさまざまな地域から人が集まり、感染者数が増え続けていたものと考えます。

行動範囲の広い世代の感染から子供達へ

第6波で感染者が比較的多かったにもかかわらず、宮城県では「まん延防止措置」も、適用しませんでした。実際、この間に利府のスタジアムでは大きなイベントが毎週、開催されていました。それが6波の中で、宮城での感染者数が飛びぬけて多い理由と考えます。

実際、そのようなイベントに行く人は行動範囲の広い世代になります。それは今のオミクロン株感染者のほとんどが、20代、30代、40代の人々で占められていることでもそのようなイベントでの感染から仲間に拡がったことが推測できます。このようにして感染した人は家庭内に持ち帰り、子供達や家族に感染を拡げ、その結果、幼稚園児、小学生などでの流行発生に繋がったものと考えます。

2月、3月に感染した人と話す機会があり、感染者にはワクチン接種を受けていない人が意外に多いことを知り、一寸驚きました。ワクチンはそれなりに感染予防の役割を果たしているのです。

このような背景の中で、流行している幼稚園や小学生などの中での流行を防ぐために、子供たちへのワクチン接種が言われています。

しかし、私は、行動範囲が広く、小さな子供たちの親世代である20~40代のへのワクチン接種が、一番必要な事ではないかと考えます。同時に、リスクの高い高齢者を守るためにも、高齢者施設で働く人びとで活動の盛んな世代に、一早くワクチン接種をすることが大切と思います。

確かに死亡者は発生しています。しかし、その死亡者の年齢をみると、高齢であったり、基礎疾患を持っている人が多いことも分かります。私達には、こんな背景を冷静に理解して、新型コロナ感染症対策で何をするべきかを考える冷静さと合理的な判断を求められています。

ワクチンイメージ

子供達へのワクチン接種について

子供へのワクチン接種に関しては多くの方が迷っておられると思います。親子で相談して接種を決めてください‥‥なんて、国は親に責任を投げているのが情けないです。

私が考える子供のワクチン接種の条件

  1. 今治療を受けている疾患を持っているお子さん
  2. 家族に重篤な疾患をお持ちのご家族がおられる子供さん

このような条件に合致するご家庭では、小児科に相談して接種するかどうかを決めて頂きたいと思います。
何よりも、親が、家に感染症を持ち込まないようにすることが大切です。万が一、子供が学校などで感染してしまった場合には、小児科の先生に相談してください。その際には、家庭内での石鹸での手洗いの徹底が大切になります。

  • 石鹸での手洗いが感染症対策には大切。
  • 手を洗う前に、自分の鼻、口などに手を触れないようにしてください。
  • マスクでは予防は出来ません。
  • 免疫力を維持するために、体力を落とさないようにしましょう。

3月16日夜に発生した地震について

未だ桜の季節ではない東北ですが、3月16日午後11時36分に、福島沖を震源とする地震が発生し、仙台でもさまざまな被害が出ました。

我が家でも本棚からは本が崩れ、ガラス、陶器類のいくつかは壊れ、愛犬のキャスパーはその後の余震の中で情緒不安定です。

そう言えば、私は昨年の2月にも東北地域で発生した地震を思い出していました。

あの時は宮城県は海側の工業地帯に配管が壊れるなど被害が出、その改修のために大勢の駆け付けた京浜の地域から作業員によって、新型コロナ感染症が仙台の街に持ち込まれ、宮城県では「まん延等防止措置」が実施されました。

今回は新幹線が脱線して利用できないことが幸いして、大きな流行発生が起きていません。

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