あたかも人間の世界にのみ存在していて、恐怖のウイルスとして私達の地球を大混乱に陥れ世界中の人々を翻弄しているコロナウイルス……。
実は、さまざまな動物がもともと持っているものです。
感染症の流行は、古来人類が地球上に誕生して以来、繰り返されて来た事なのです。過去最も大きかったパンデミックは、ヨーロッパを中心に発生し、16世紀から18世紀まで続いたペストの流行でしょう。
このペストのパンデミックは、大航海時代の中で発達した大型の船舶によって、人や物が国境を越えて移動することを容易にし、活発化したことで発生したものでした。
それでも、この事態に人類は様々な工夫をこらし、検疫などの社会防衛システムの構築や隔離による感染拡大対策などを講じて克服してきました。
この時代と同じようなことが、今、目の前で起きているのです。
私達が望んで作り上げてきたグローバル化の進んだ世界。しかし、グローバル化は同時に望んでいなかったパンデミックを起こし易くする側面も併せ持っています。
その中で、新型コロナウイルス感染症の流行が発生したのです。ただ、今回の新型コロナウイルス感染症の流行拡大のスピードは、大量高速輸送が当たり前の現代、大航海時代のペストパンデミックとは全く異なったものでした。
究極の利便を追求し続ける時代に生きている私達は、もしかしたら、歴史の貴重な目撃者になっているのかもしれません。
世界中を震撼させるこのような日が来る可能性を、感染症を学んできた人々が想像できなかったはずはありません。永年感染症の世界で生きてきた私にとっては、全て想定内でした。
そして、新たな感染症で世界中が混乱する中、私にも出来ることは何かあると考えました。それは、多くの感染症の流行現場で生きてきた私が、そこで学んできたことを広く伝え続けることではないかとの思いに至りました。
今、私は今回の新型コロナウイルス感染症の流行を期に、自ら情報を発信する場として、このホームページの充実に取り掛かろうと考えています。