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新型コロナウイルス(COVID-19)について Dr.岩崎の考察と提言
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新型コロナウイルス感染症のその後

ゴールデンウィークも終わり、人々の動きは少し緩やかになりました。

その一方、街中で飛び交う外国語が増えていることは、皆さんも感じておられると思います。

これは国の政策の中でインバウンドを増やし、日本の経済を活性化することを目的としたもので、その意味では、成功しているのでしょう。

昨年、5類扱いとなった新型コロナウイルス感染症は相変わらず感染者は出ています。
5類感染症ですから全数報告の義務はありませんので、正確な感染者数は分かりませんが、決して消えてはいません。

それらは、仙台市の下水のウイルス調査でも、流行期ほどではないですが、新型コロナウイルスが検出され続けていることが東北大学の調査で報告されています。

厚生労働省による新型コロナウイルスの抗体保有率の調査結果

厚生労働省では現在の国民の新型コロナウイルスの抗体保有率の6回目の調査結果を発表しました。

この調査は令和5年11月14日~令和5年11月28日の間に、日本赤十字社が実施した献血に協力した方々の血液中の抗体価を調べたものです。

献血が可能な年齢は16歳から69歳であるため、この範囲を下回る小児や上回る高齢者は対象とはなっていません。また、新型コロナウイルスに実際に感染した後にできる抗体と、ワクチン接種によって人為的に生成された抗体とは異なります。

この調査結果では、全体の56.5%の人が感染してできた抗体を持っていたことが確認されました。
地域別では最も高い抗体保有率を示したのは沖縄で、次いで東京、大阪、京都、神奈川、奈良、兵庫他が続いています。対して、秋田県が保有率50.0%と最も低い結果この所のとなっていました。

しかし、献血者の調査だけでは年少者や高齢者などが含まれないことから、全年齢層に及ぶ実態は把握できません。

民間の検査機関による抗体保有の検査結果

そこで、同じ期間に民間の検査機関で扱った血液の残余36,000検体で新型コロナウイルス抗体保有状況を検査したところ、全検体の47.9%に抗体保有が確認されました。

年齢群別では5歳~19歳の群での抗体保有率が80%以上となっており、特に、16歳~19歳群が最も高く、85%を超えていました。

それに比べ、高齢者での抗体保有率は70歳台では32%、80歳以上では22%と、低くなっていたのです。

新型コロナウイルス感染症の犠牲は高齢者に集中していたのですが、実際の感染者は若年層に多かったことになります。

ワクチン接種によって獲得した新型コロナウイルス抗体は、5歳以上では90%

また、ワクチン接種によって獲得した新型コロナウイルス抗体は、5歳以上では90%を超える人が保有していることが明らかになっています。

以上の現在の日本での新型コロナウイルスに関する抗体保有率を考えると、新型コロナウイルス感染症に対する対策は、5歳~19歳の人々での感染予防の習慣に力を注ぐことが大切ではないかと思われました。

すなわち、この年代の人々に重点的に、感染拡大予防策(特に、石鹸での手洗いなど)を強化することが新型コロナウイルス感染症の対策としては必要と考えるべきと思いました。

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